文化財ニュースNo.29
発行 赤穂市教育委員会
編集 文化財課文化財係(赤穂市加里屋81番地 0791-43-6962)
令和4年4月21日
このページでは、令和3年度に赤穂市教育委員会が行った事業を総括しています。
最新ニュースは、トップページからご紹介していますのでご覧ください。
また、これまで記事となった事項は、リンクをつけておりますのでご参照ください。
最新ニュース
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■令和3年度赤穂市文化財係の事業内容を追加しました!
■『天然記念物生島の植生調査報告2021』を刊行しました!
■『有年考古』第9号を刊行しました!
■「文化財をたずねて」No.29を公開しました!
■「みかんのへた山古墳」パンフレットを刊行しました!
■「赤穂市立有年考古館」パンフレットをリニューアルしました!
■国史跡赤穂城跡に関する活動
- 赤穂城跡整備事業
- 赤穂城跡では、令和3年度事業として、今後、二之丸北城壁の整備を行うにあたっての基本的な設計を行うため、発掘調査を実施いたしました。発掘調査では、二之丸門の北に接続する城壁の形状を復元できるデータが得られました。3月13日には現地説明会を行い79名の参加が得られました。資料は公開ページにてダウンロードすることができ ます。令和4年度も継続的に調査を行いますので、ご期待ください。
- また、公園事業として二之丸西中門の前にある土橋玉縁の整備等を実施いたしました。
- 市制70周年記念事業「まるごと赤穂城博」
- >令和3年度は、市制70周年であるだけでなく、赤穂城築城360年、史跡指定50年の記念の年でもありました。そこで、記念入城証の無料配布、本丸櫓門階上展示室での企画展「赤穂城の歴史と特徴」開催、連続講演会、発掘調査現地説明会の開催、二之丸庭園公開範囲拡大を実施しました。
二之丸北城壁の発掘調査(1区)
二之丸北城壁の発掘調査(2区)
チラシ
記念入城証
企画展
連続講演会
発掘調査現地説明会
■有年に関する活動
- 有年考古館活動
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赤穂市立有年考古館では、新型コロナウィルス感染症予防のため、臨時休館や、体験学習を中止することがありましたが、年間を通して特別展や企画展を開催することができました。
- 『赤穂市立有年考古館』第9号を刊行
- 赤穂市立有年考古館では、前年度に実施した事業の年報を刊行しており、令和2年度の事業を紹介しております。
展示図録としての機能を持たせており、赤穂城跡や城下町跡で出土した江戸時代の木簡についての企画展等について、写真・図面を多用してわかりやすく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
■赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第9号を刊行しました!
■普及活用に関する活動
- 文化財説明板の作製設置
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文化財係では、市内に所在する文化財への来訪者に、より理解を深めてもらうため、説明板を設置しております。
令和3年度は、日本遺産に認定されている赤穂の塩に関する歴史文化遺産を解説する目的で、赤穂市立民俗資料館に隣接して赤穂西浜塩田の歴史に関する解説板を設置しました。
説明板は、かつての専売公社であった民俗資料館やその周辺に残された塩倉庫等について、その歴史や意義を解説していますので、ぜひご活用ください。
また、市内6か所の地区文化財看板を張替え、『赤穂市歴史文化基本構想』に基づいた歴史文化に関するストーリーをビジュアルに解説しています。ぜひご覧ください。 - 文化財説明標柱のアルミ製更新
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文化財係では、市内各所に設置している木製標柱について、3か年かけてアルミ製標柱への更新を実施しており、令和3年度が最終年度となりました。
令和3年度は、32基の木製標柱をアルミ製標柱へと更新しており、合計130基がアルミ製標柱となりました。皆さんも、ぜひ市内各地でご覧ください。
西浜塩田解説板
地区解説板(有年考古館)
アルミ製標柱
■埋蔵文化財に関する活動
- 山林の分布調査
- 赤穂市教育委員会では、市内の遺跡の詳細把握のため、継続的な分布調査を行っています。令和3年度は有年地区と坂越地区を実施し、中世寺院跡や古墳群の詳細図などを作成しました。
- 保存処理
- 発掘調査等で出土した遺物の保存処理事業では、赤穂城下町跡やみかんのへた山古墳の発掘調査で見つかった木製、鉄製遺物の保存処理を実施しました。
- 発掘調査出土遺物レプリカ作製
- 赤穂市教育委員会では、有年考古館で活用可能なレプリカの作製を進めています。令和3年度は、有年原・田中遺跡出土の古代の硯のレプリカを作製しました。近い将来、お目見えすることがあるかと思いますので、ご期待ください。
■天然記念物に関する活動
- 生島樹林調査報告書の刊行
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生島樹林は、古来から大避神社の神地としてあがめられ禁足地とされていたこともあり、手つかずの自然が残されていたことから、大正13年に国天然記念物に指定された照葉樹林です。
しかし1970年代には「ムベ」の繁茂が目立ち、樹木を枯死させることが知られてきました。そこで2002年に市民参加のもとムベの伐採を行いました。この成果は、10年後の2012年に再検証のための調査が行われ、植物多様性を保っていることが報告されています。今回の報告書は、さらに10年後に実施された2021年の調査をまとめたもので、やはり良好な状況であることが示されており、ムベ伐採が生島樹林の保全に必要な事業であったことを示すものです。
詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
■日本遺産推進事業
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令和元年5月、赤穂市の塩の歴史文化に関するストーリー「『日本第一』の塩を産したまち播州赤穂」が日本遺産に認定されました。
赤穂市ではこれを受けて赤穂市日本遺産推進協議会を立ち上げ、令和元年度より事業を実施しております。 - 令和2年度には、赤穂塩田資料の整理を行ったほか、ガイドボランティア等養成講座、図書館での企画展、音声ガイド整備などを行い、令和3年度は引き続き赤穂園塩田資料整理、ガイドボランティア等養成講座、図書館での企画展を実施したほか、子ども向けのストーリーブック作成などを行いました。
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■日本遺産ポータルサイト
■赤穂市日本遺産音声ガイド
講演会
図書館での企画展
ガイドボランティア講座
- あわせて、平成30年に認定された日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」の構成文化財が所在する坂越地区の旧坂越浦会所において、企画展「北国へ旅した坂越廻船〜各地の廻船記録から〜」を開催しました。
■その他
- 文化財資料のデジタル化
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赤穂市教育委員会では、これまでに作成したアナログの文化財資料について、デジタル化を行うことで恒久的な保存を図る事業を実施しております。
令和3年度事業としては、石碑等の拓本資料のスキャニングを実施しております。