文化財ニュースNo.30
発行 赤穂市教育委員会
編集 文化財課文化財係(赤穂市加里屋81番地 0791-43-6962)
令和5年5月8日
このページでは、令和4年度に赤穂市教育委員会が行った事業を総括しています。
最新ニュースは、トップページからご紹介していますのでご覧ください。
また、これまで記事となった事項は、リンクをつけておりますのでご参照ください。
最新ニュース
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■令和5年度赤穂市文化財係の事業内容を追加しました!
■『みかんのへた山古墳群発掘調査報告書』を刊行しました!
■『有年考古』第10号を刊行しました!
■「文化財をたずねて」No.30を公開しました!
■赤穂市指定有形文化財が指定されました!!
■国史跡赤穂城跡に関する活動
- 赤穂城跡整備事業
- 赤穂城跡では、令和4年度事業として、今後、二之丸北城壁の整備を行うにあたっての設計を行うため、発掘調査を実施いたしました。発掘調査では、二之丸門の北に接続する城壁の形状を復元できるデータが得られました。2月26日には現地説明会を行い64名の参加が得られました。資料は公開ページにてダウンロードすることができ ます。
- また、公園事業として二之丸西中門周辺の石垣整備等を実施いたしました。
二之丸門周辺の発掘調査(オルソ図)
現地説明会の様子
■坂越に関する活動
- 旧坂越浦会所が入館者30万人突破
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旧坂越浦会所は、正面を坂越港に向け、町並みの中心にあって、行政や商業などの事務をとるための村会所として、天保2〜3(1831〜1832)年に建築されました。
当建物は、会所であると同時に、赤穂藩の茶屋としての役割を持っており、2階に藩主専用の部屋「観海楼」が設けられているのが特徴です。昭和5年(1930)には改造されて坂越公会堂として利用されるなどし、平成4(1992)年4月30日には赤穂市指定文化財(有形文化財・建造物)に指定されました。
その後、平成6年(1994)年8月1日には解体復元修理を経て「旧坂越浦会所」として竣工し、一般公開に供されました。 一般公開当時、年間3,000人余りだった入館者数は、坂越のまち並みの人気とともに増加して年間1万人を越えるようになり、平成22年5月7日には入館者が10万人(開館4,824日目)に、平成29年5月29日には20万人(公開6,980日目)を突破しました。
そしてこのたび、令和4年6月3日に入館者30万人を迎えることができました。
今後も、歴史的町並みの残る坂越のシンボルとして保存整備を推進してまいります。
■有年に関する活動
- 有年考古館活動
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赤穂市立有年考古館では、新型コロナウィルス感染症予防対策を取りながら、久しぶりの古代体験教室を実施したほか、年間を通して特別展や企画展を開催することができました。
- 『有年考古』第10号を刊行
- 赤穂市立有年考古館では、前年度に実施した事業の年報を刊行しており、令和3年度の事業を紹介しております。
展示図録としての機能を持たせており、赤穂市が所蔵する江戸時代以降の絵図や、有年考古館に収蔵されている旧松岡家の染形紙について企画展、また播磨の前方後円墳に焦点を当てた特別展の記録について、写真・図面を多用してわかりやすく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
■赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第10号を刊行しました! - 東有年・沖田遺跡公園復元住居修理
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開園後25年以上が経過し、劣化が進んでいた東有年・沖田遺跡公園の復元住居の茅葺屋根について、1棟の葺き替えを行いました。あわせて、公園内の樹木伐採を行い、日陰を作って茅を傷める原因となる支障木を撤去しました。
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復元住居の修理風景
■普及活用に関する活動
- 文化財説明板の作製設置
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文化財係では、市内に所在する文化財への来訪者に、より理解を深めてもらうため、説明板を設置しております。
令和4年度は、3か年かけて発掘調査を行った、赤穂市坂越にある「みかんのへた山古墳」の解説板を設置しました。
現在、坂越はウォーキングの観光客が増加しており、みかんのへた山古墳も立ち寄りスポットとして活用されるよう期待しています。
みかんのへた山古墳群解説板
■埋蔵文化財に関する活動
- 山林の分布調査
- 赤穂市教育委員会では、市内の遺跡の詳細把握のため、継続的な分布調査を行っています。令和4年度は坂越地区について実施し、多くの古墳を発見することができ、詳細図などを作成しました。
- 保存処理
- 発掘調査等で出土した遺物の保存処理事業では、赤穂市指定文化財である西野山3号墳(上郡町・有年考古館所蔵)から出土した繊維製品の保存処理を行いました。
- 展示什器作製
- 赤穂市教育委員会では、有年考古館で活用可能な展示什器の作製を進めています。令和4年度は、古代に使用されていたと考えられている原始織機を復元的に作製しました。近い将来、お目見えすることがあるかと思いますので、ご期待ください。
■日本遺産推進事業
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令和元年5月、赤穂市の塩の歴史文化に関するストーリー「『日本第一』の塩を産したまち播州赤穂」が日本遺産に認定されました。
赤穂市ではこれを受けて赤穂市日本遺産推進協議会を立ち上げ、令和元年度より事業を実施しております。 - 令和3年度には、図書館での企画展、ガイドボランティア等養成講座や日本遺産子ども教室などを行い、赤穂市の日本遺産をしっていただく活動を行いました。
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また、赤穂塩田資料のデジタルアーカイブサイト「赤穂の塩づくりの記憶」)を公開し、10,000点近くの資料をいつでも見ることができるようになりました。
■ガイドボランティア講座
■日本遺産子ども教室- ■日本遺産ポータルサイト
■赤穂市日本遺産音声ガイド
■赤穂の塩づくりの記憶 - ■日本遺産ポータルサイト
■その他
- 文化財資料のデジタル化
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赤穂市教育委員会では、これまでに作成したアナログの文化財資料について、デジタル化を行うことで恒久的な保存を図る事業を実施しております。
令和4年度事業としては、石碑等の拓本資料のスキャニングを実施しております。 - ■はりまふるさとアーカイブ