兵庫県赤穂市の文化財 -the Charge for Preservation of Caltural Asset ,Ako-
−赤穂城跡、赤穂の歴史民俗、文化財、観光、名所旧跡、遺跡、発掘調査、考古学などなど−

文化財ニュースNo.27


発行 赤穂市教育委員会
編集 文化財課文化財係(赤穂市加里屋81番地 0791-43-6962)
令和2年5月7日

 このページでは、令和元年度に赤穂市教育委員会が行った事業を総括しています。
 最新ニュースは、トップページからご紹介していますのでご覧ください。
また、これまで記事となった事項は、リンクをつけておりますのでご参照ください。


最新ニュース

令和2年度赤穂市文化財係の事業内容を追加しました!
『赤穂城攻略本』を刊行しました!
『発掘された赤穂城下町5』を刊行しました!
赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第7号を刊行しました!
「文化財をたずねて」No.27を公開しました!
「文化財をたずねて」No.8改訂版を刊行しました!

■国史跡赤穂城跡に関する活動

赤穂城跡整備事業
 赤穂城跡では、令和元年度事業として、二之丸東櫓台の修理事業を行いました。二之丸東櫓台は、明治以後に櫓台背後が土取りされてしまい、崩落している状態にありました。平成25年度より実施している二之丸城壁修理の一環として、この櫓台も修理することになり、その基礎資料獲得を目的とした発掘調査を平成30年度に実施しました。調査では、櫓台復元のための貴重なデータが多く得られました。
 この成果を活かして、令和元年度に修理を実施したものです。
 修理では、第1次撤去として大きく崩落した石材の撤去を実施し、そこで発掘調査を行って調査データを記録し、石材をどのように元に戻していくか検討しました。そして第2次撤去を行って再び発掘調査を実施した後、復元修理を実施しています。
 なお修理にあわせ、令和元年12月21日と令和2年1月11日に工事見学会を開催しました。
 このほか、今後整備を行う予定の二之丸西中門周辺の実施設計のための復元検討も行い、今後の整備の目途がつきました。

二之丸東櫓台の修理前状況

二之丸東櫓台の修理完了状況

二之丸東櫓台の調査状況
赤穂城跡本丸土塀の改修
 本丸門は平成8年度に竣工し、24年が経過しました。そのため周辺の土塀が劣化し、一部に崩落が認められましたので、平成30年度に引き続き修理を実施しました。
『赤穂城攻略本』の刊行
 史跡赤穂城跡は、昭和46年に史跡指定を受けたのち、現在まで継続的に整備を行ってきました。これまで様々な紹介パンフレットが作成されていますが、赤穂城を総覧できる書籍がありませんでした。
 そこでこのたび、赤穂城に関する完全ガイドともいうべき『赤穂城攻略本』を刊行いたしました。本書籍では赤穂城の築城前史から説き起こした後、赤穂城の構造などを解説するだけでなく、周辺の城下町等についても解説を加えています。
 ぜひお手にとってご覧くださいますようお願いいたします。
『赤穂城攻略本』を刊行しました!


■有年に関する活動

有年考古館活動
 赤穂市立有年考古館では、年間を通して様々な特別展・企画展を開催したほか、体験学習を行いました。
 特に、特別展「謎の氏族−秦氏〜考古学からみたその実像〜」では、赤穂郡と深い関わりのある秦氏を、主に考古学から明らかにした展示でした。
 文化財説明板の作製設置
 文化財係では、市内に所在する文化財への来訪者に、より理解を深めてもらうため、説明板を設置しております。
 令和元年度は、市内唯一の前方後円墳である放亀山1号墳とその周辺の古墳群に関する説明板を設置いたしました。
 放亀山1号墳は、平成29年度に確認調査を実施し、前方後円墳であることが判明した古墳で、平成30年度には調査報告書を刊行しております。
 今回、この古墳の詳細に加え近年の分布調査によって発見された数多くの古墳を知っていただくため、有年公民館敷地内に説明板を設置いたしました。
 説明板はカラー写真等でその歴史や意義を解説していますので、ぜひご来訪ください。

放亀山1号墳説明板
『赤穂市立有年考古館』第7号を刊行
 赤穂市立有年考古館では、前年度に実施した事業の年報を刊行しており、令和元年度年報として、平成30年度の事業を紹介しております。
 展示図録としての機能を持たせており、赤穂の塩づくりに関する特別展等について、写真・図面を多用してわかりやすく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
 詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第7号を刊行しました!
有年歴史公園の改修工事
 施設の老朽化に伴い、東有年・沖田遺跡公園では26号復元住居の屋根の葺き替え工事を実施いたしました。

修理が完了した復元住居

■埋蔵文化財に関する活動

みかんのへた山古墳の調査
 みかんのへた山古墳は坂越にある古墳で、直径30mの大規模な円墳として昭和50年に県指定史跡に指定されています。
 平成24年度に測量を実施した結果、山火事等の影響もあって土砂の流失が疑われました。その後の経過観察も踏まえ、植生の復旧が進まないことから、範囲確認調査を行いました。
 調査はまず平成30年度から実施しており、令和元年度の1号墳の墳頂部等の調査を実施しました。
 調査の結果、中央に大きな盗掘穴が発見されたほか、墳丘には葺石が葺かれていたことが判明しました。
 調査は令和2年度も継続いたしますので、続報にご期待ください。
保存処理
 発掘調査等で出土した遺物の保存処理事業では、昨年度の赤穂城下町跡発掘調査で見つかった木簡等の木製遺物2点の保存処理を実施しました。
西野山3号墳出土遺物レプリカ作製
 西野山3号墳は、上郡町西野山にある前方後方墳です。昭和25年に有年考古館(赤穂市有年楢原)の松岡秀夫館長が調査を実施し、三角縁神獣鏡等の重要な資料が出土した古墳として有名です。
 現在この資料は赤穂市立有年考古館に収蔵され、赤穂市指定有形文化財となっています。この貴重な資料について、実際に体感できる展示を充実させるため、レプリカの作成を進めています。令和元年度は三角縁神獣鏡を作成しました。
赤穂城下町跡調査報告書の刊行
 平成29年度に実施した、赤穂城下町跡(旧博文館跡)の調査報告書を刊行いたしました。詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
 
赤穂城下町跡(旧博文館跡)発掘調査報告書を刊行しました!

■日本遺産推進事業

 令和元年5月、赤穂市の塩の歴史文化に関するストーリー「『日本第一』の塩を産したまち播州赤穂」が日本遺産に認定されました。
 赤穂市ではこれを受けて赤穂市日本遺産推進協議会を立ち上げ、チラシ・ポスターの作成、講演会、動画制作、Webサイト作成等様々な事業を実施いたしました。近々、皆さまの目にも触れることになるかと思いますのでお楽しみにお待ちください。
日本遺産ポータルサイト

■その他

文化財資料のデジタル化
 赤穂市教育委員会では、これまでに作成したアナログの文化財資料について、デジタル化を行うことで恒久的な保存を図る事業を実施しております。
 令和元年度事業としては、石碑等の拓本資料のスキャニングを実施しております。


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巻頭写真1
(クリックすると拡大します。)

−連絡先−
赤穂市教育委員会事務局文化財課文化財係
〒678-0292 兵庫県赤穂市加里屋81番地
TEL:0791-43-6962 FAX:0791-43-6895
赤穂市ホームページ