■赤穂市立有年考古館の公式サイトへようこそ!当館は兵庫県赤穂市にある、入館無料の小さな考古館です。
 考古資料・民俗資料を中心に展示しているほか、どなたでも楽しめる体験学習も開催しております。ぜひご来館ください!

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    有年考古館について


    (1)松岡秀夫と有年考古館

     有年考古館の設立者である松岡秀夫(1904-1985)は、旧有年村で眼科医を勤めるかたわら、郷土史家として主に旧赤穂郡(現在の赤穂市、相生市、上郡町) の歴史研究者として活躍しました。

     松岡秀夫は、旧赤穂郡を中心とした遺跡の出土品の収集・保存、発掘調査などを行い、その資料を保管・公開活用するために 昭和25(1950)年10月、有年考古館を設立しました。兵庫県下では、川西市の宮川石器館に続き2館目、播磨地域では 最初の考古系博物館となりました。昭和26年4月には財団法人として認可され、以後、昭和38年の増築、昭和52年の増改築を経て、 平成23年2月まで播磨地域を代表する考古系博物館としての機能を果たしました。

     設立当初は、訪れた文部省の技官から「日本一小さな考古館」と呼ばれるほどの小さな建物でしたが、 収蔵資料には「卑弥呼の鏡」として知られる「三角縁神獣鏡」や、弥生時代の青銅器である「銅剣」など充実したものがあり、 多くの研究者が利用してきました。その一方で、一部の収蔵品は、誰でもが手に取って観察できるように展示されており、 一般の方が考古資料に親しみやすい展示も心がけていました。また、開館当初から入館料は無料で、 誰にでも開かれた博物館を目指していました。入館料のかわりに使用済みの切手を集めていたという点もユニークで、 松岡秀夫の人柄と信念を示しているといえるでしょう。


    (2)有年考古館設立の趣旨

     『有年考古館設立趣意書』によると、先史時代の歴史を紐解く重要資料である『播磨国風土記』に、赤穂郡の記録が欠落して残っていない点、 そして赤穂郡が、播磨と吉備との間にあって歴史的に重要な位置をしめながらも、資料が保存されずに破壊されつつある現状を打開するため、 考古館を設立するとあります。

     財団法人有年考古館設立時の事業内容としては、(1)調査と研究、(2)埋蔵文化財保護、(3)資料収集・陳列・展観、(4)啓蒙宣伝、 (5)学術講演会の開催、(6)必要な図書・図録の出版、(7)その他必要な事業が挙げられており、(4)啓蒙宣伝には、若い研究者の育成までもが含まれていました。
     学術講演会は、昭和25年の第1回講演会(梅原末治・京都大学教授)から始まり、 平成19年にいたるまで、第一線で活躍する研究者を招いてほとんど途絶えることなく行われており、毎回座席が一杯になるほどでした。


    (3)財団法人有年考古館の調査成果

     財団法人有年考古館の名を広く世間に知らしめたのは、赤穂郡上郡町にある西野山3号墳の発掘調査によるものが大きいでしょう。 昭和25年8月、土砂採取により破壊の危機にあった西野山3号墳の発掘調査を計画し、京都大学考古学研究室へ依頼、昭和26年から実施しました。 古墳からは三角縁神獣鏡や有機質製短甲などの貴重な副葬品が出土したのです。これらの調査成果は、翌27年には兵庫県で初めて刊行された 学術調査報告書としてまとめられ、有年考古館の存在は全国へと知れ渡りました。

     このほか、赤穂郡上郡町中山古墳群の保存活動とその発掘調査、赤穂市蟻無山古墳群などの測量調査などを実施し、 こうした調査で得られた貴重な資料が、有年考古館に多く収蔵されました。これらの資料がなければ、 旧赤穂郡の先史時代はほとんど空白となっていたことでしょう。現在の地域史研究さえも、有年考古館収蔵資料の成果なくしては語ることができないほど、 貴重な資料が多く収蔵されているのです。


    (4)新しい有年考古館

     昭和60年には松岡秀夫が逝去し、ご子息の松岡秀樹が、2代目の有年考古館長として就任しました。 その後、平成23年まで継続的に博物館活動を展開していましたが、開館60周年を経た平成23年5月に、 有年考古館は赤穂市へ寄付されました 。赤穂市はこの寄付を受け、設立当初の趣旨を引き継ぎ、さらには現代社会の生涯学習にふさわしい親しみのある施設として、管理運営していきます。

     ※データベースのページにも、松岡秀夫や有年考古館に関する資料がございますので、ご活用ください。



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    ■赤穂市立有年考古館■

    〒678-1181
    赤穂市有年楢原1164番地1
    TEL・FAX:0791-49-3488
    午前10時~午後4時開館
    火曜日及び年末年始休館
    ※展示替のため臨時に休館することがあります