文化財ニュースNo.28
発行 赤穂市教育委員会
編集 文化財課文化財係(赤穂市加里屋81番地 0791-43-6962)
令和3年4月21日
このページでは、令和2年度に赤穂市教育委員会が行った事業を総括しています。
最新ニュースは、トップページからご紹介していますのでご覧ください。
また、これまで記事となった事項は、リンクをつけておりますのでご参照ください。
最新ニュース
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■令和3年度赤穂市文化財係の事業内容を追加しました!
■『発掘された赤穂城下町6』を刊行しました!
■赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第8号を刊行しました!
■「文化財をたずねて」No.28を公開しました!
■「文化財をたずねて」No.3改訂版を刊行しました!
■「塚山古墳群」パンフレットを刊行しました!
■国史跡赤穂城跡に関する活動
- 赤穂城跡整備事業
- 赤穂城跡では、令和2年度事業として、二之丸庭園西側の西中門北城壁の修理を行ったほか、二之丸北城壁の一部修理工事を実施しました。修理に際して発掘調査を実施し、その成果に基づいた設計変更を行いながら、往時の状況に復元することができました。
- また、公園事業としてこの城壁に隣接する西中門関連の城壁も修理しており、西中門周辺の整備が計画的に進んでおります。完成をお待ちください。
- 赤穂城跡三之丸板塀の移設
- 赤穂城跡でも三之丸はまだ未整備の部分が多く、板塀に囲まれているところが多くあります。そのため赤穂城内に入った来訪者にとって、二之丸城壁や本丸門の場所がわかりにくいという課題がありました。
- これまでは、道路沿いにあった板塀を、江戸時代の街路区画に合うように移設したことによって、二之丸城壁がよく見通すことができるとともに、江戸時代当時の景観を実感していただけるようになりました。
- 赤穂城跡映像の制作
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このたび、赤穂城跡を解説する映像を制作・公開いたしました。
15分の解説映像と2分のダイジェスト映像を制作し、両者とも日本語・英語に対応しております。映像では、軍学に基づいた築城が行われた赤穂城の魅力を歴史学者磯田道史氏の解説を交え、あますところなく解説しております。
「ChannelAKO」にて公開しておりますので、皆さまぜひご観覧ください。
西中門周辺城壁の発掘
西中門周辺城壁の工事状況
移設された板塀
設置された解説板
■有年に関する活動
- 有年考古館活動
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赤穂市立有年考古館では、新型コロナウィルス感染症予防のため、特別展や企画展、体験学習等を中止することが多くありましたが、年間を通していくつかの企画展を開催したほか、有年考古館蔵品の整理を実施いたしました。
- 『赤穂市立有年考古館』第8号を刊行
- 赤穂市立有年考古館では、前年度に実施した事業の年報を刊行しており、平成31・令和元年度の事業を紹介しております。
展示図録としての機能を持たせており、渡来系氏族・秦氏に関する特別展等について、写真・図面を多用してわかりやすく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
■赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第8号を刊行しました! - 文化財説明板の作製設置
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文化財係では、市内に所在する文化財への来訪者に、より理解を深めてもらうため、説明板を設置しております。
令和2年度は、市指定文化財である「木造浅野赤穂藩主坐像」「有年家長屋門」の解説板、JR坂越駅前の解説板を改修いたしました。
上記のうち前者の2基は看板の老朽化に伴う改修であり、後1者は赤穂市歴史文化基本構想の成果に基づき、地域の豊かな歴史文化を解説する看板に張り替えいたしました。説明板はカラー写真等でその歴史や意義を解説していますので、ぜひご活用ください。
■坂越等に関する活動
坂越地区文化財説明板
■埋蔵文化財に関する活動
- みかんのへた山古墳の調査
- みかんのへた山古墳は坂越にある古墳で、直径30mの大規模な円墳として昭和50年に県指定史跡に指定されています。
平成24年度に測量を実施した結果、山火事等の影響もあって土砂の流失が疑われました。その後の経過観察も踏まえ、植生の復旧が進まないことから、範囲確認調査を行いました。
調査は平成30年度から実施しており、令和2年度が最終年度となりました。
調査の結果、中央の埋葬施設が確認され、平安時代の乱掘穴から古墳時代の副葬品と思われる鉄製甲冑片が出土しました。出土した円筒・形象埴輪とともに、この古墳が古墳時代前期末〜中期前葉に築かれたものであることが明らかになりました。 詳細はみかんのへた山古墳発掘調査概要をご覧ください。
- 保存処理
- 発掘調査等で出土した遺物の保存処理事業では、赤穂城下町跡発掘調査で見つかった木簡等の木製遺物7点の保存処理を実施しました。
- 西野山3号墳出土遺物レプリカ作製
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西野山3号墳は、上郡町西野山にある前方後方墳です。昭和25年に有年考古館(赤穂市有年楢原)の松岡秀夫館長が調査を実施し、三角縁神獣鏡等の重要な資料が出土した古墳として有名です。
現在この資料は赤穂市立有年考古館に収蔵され、赤穂市指定有形文化財となっています。この貴重な資料について、実際に体感できる展示を充実させるため、レプリカの作成を進めています。令和2年度は管玉、勾玉を作成しました。 - 赤穂城下町跡調査報告書の刊行
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平成25・26年度に実施した、赤穂城下町跡の調査報告書を刊行いたしました。詳細は、図書紹介ページをご覧ください。
みかんのへた山古墳
説明会の様子
■日本遺産推進事業
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令和元年5月、赤穂市の塩の歴史文化に関するストーリー「『日本第一』の塩を産したまち播州赤穂」が日本遺産に認定されました。
赤穂市ではこれを受けて赤穂市日本遺産推進協議会を立ち上げ、令和元年度より事業を実施しております。 - 令和2年度には、赤穂塩田資料の整理を行ったほか、ガイドボランティア等養成講座、図書館での企画展、音声ガイド整備などを行いました。
■赤穂市日本遺産音声ガイド
■その他
- 文化財資料のデジタル化
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赤穂市教育委員会では、これまでに作成したアナログの文化財資料について、デジタル化を行うことで恒久的な保存を図る事業を実施しております。
令和2年度事業としては、石碑等の拓本資料のスキャニングを実施しております。