市指定文化財
西有年・長根遺跡出土木摺臼
にしうね・なごねいせきしゅつどきずりうす
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 考古資料
- 数量
- 1組
- 所有者
- 赤穂市教育委員会
- 指定年月日
- 平成17年3月24日
- 指定番号
- 46
- 説明
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木摺臼は上臼(雌臼)、下臼(雄臼)の対で一組を成すもので、本遺物はその上臼(材質・二葉松)である。2人が臼の左右に対座して、上臼の中程に掛けられた藁縄を交互に引っ張ることにより、臼は半回転ずつ逆回転する。この反復作業を繰り返すことにより、上臼内に入れられた脱穀した籾が籾殻と玄米に分別される装置で、直径36〜46cm、高さ24cmを測り、臼内の中程には軸受け板が残存している。この軸受け板は、下臼より突き出した芯棒を確実に受け止め、上臼の回転運動を安定させ、安全な作業の続行を可能にするものである。
この上臼に芯棒が通っている中心部は、籾が落ち易ように十分な遊びをもち、籾はここを通過して、下方の下臼と上臼が接するところで籾殻と玄米に分離され、臼外に押し出される。なお、上臼の下面には放射状に溝が刻まれており、下臼にも同様の溝が刻まれていたと思われる。
このような木摺臼の出土例には、富山県水橋金広・中馬場遺跡、大阪府太井遺跡、兵庫県若宮遺跡があるが、いずれも江戸期に属するものである。また、現存する木摺臼もその殆どが江戸期中頃以降の伝世品で、本遺物が、井戸遺構で伴出した遺物等から考察して室町時代の木摺臼とするならば、我が国最古の、極めて貴重な文化遺産である。
(上記は指定時の文章です)