市指定文化財
有年原・田中遺跡出土柱部材
うねはら・たなかいせきしゅつどはしらぶざい
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 考古資料
- 数量
- 1点
- 所有者
- 赤穂市教育委員会
- 指定年月日
- 平成17年3月24日
- 指定番号
- 45
- 説明
-
有年原・田中遺跡で出土した弥生時代後期の建築部材(材質・桧)で、全長196cm、直径22cmを測る主柱材である。
柱頭部分に横架材を受ける欠込みがあり、側面の両側には約30cm間隔で交互に向きを変え、3段と2段の5段に貫穴が穿たれている。柱尻部の貫穴の中程で折損しているために元の全長は不明であるが、この残存部分が地上に構築されていた柱部であり、地中に埋められていた柱部が失われていると思われる。
柱頭部の形態から考えると、床の敷桁を受ける屋根裏を収納倉庫とする屋根倉形式の隅柱であろう。柱径の太さから考察してこの倉の規模は小さく、床下の柱間を数段に別ける貫穴が小さいことから、床下の軸部を固める機能とともに床下部分を囲って収納空間としていたと推定される。
集落での定住化や、食生活に大きな変革をもたらした米の収穫の増大したこの時代に、蓄蔵施設として築造されたもので、将来、有年原・田中遺跡地に「屋根倉式家屋」が復元されるときにおいて参考となる、極めて貴重な文化遺産である。
(上記は指定時の文章です)