市指定文化財
原村文書
はらむらもんじょ
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 古文書類
- 数量
- 一括
- 所有者
- 有年原自治会
(管理者)赤穂市 - 指定年月日
- 平成12年3月31日
- 指定番号
- 38
- 説明
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有年原は市の北部、千種川と矢野川の合流付近北側に位置し、西川・原・田中・北畠の集落からなる。肥沃な農地に恵まれ、古代より農業を生業とした。北部の丘陵には弥生・古墳時代の遺跡が多い。なかでも田中の弥生遺跡、北畠の津村古墳、山崎の蟻無山古墳(県史跡)は有名である。近世にあって、正保2年からは赤穂浅野藩領になったが、元禄事件後は幕府領(天領)に編入され、代官支配のまま維新を迎えた。
本文書は寛永2年(1625年)以降昭和初年に至る同地の村方文書(村会所文書)で、長期にわたる村方支配の様子を示したものとして注目される。なかでも土地関係では寛永2年から慶応2年までと、ほぼ江戸時代を通じての土地台帳が保存されている。また山陽道の宿場(東有年)に隣接し、千種川水運の中継地でもあったため、交通運輸に関する通達書などの史料も多い。幕領編入後は上郡村に設置された代官所の支配下に組み込まれたが、原村は村方三役を中心とする自治により運営されたため、村政に関する様々な史料が残されている。
隣村の楢原文書(赤穂市指定有形文化財・指定番号30)が赤穂藩領の歴史を語るものであるならば、原村文書は幕府領であった郷土の歴史を語るものである。両文書を対比することで、支配の異なりによる封建村落の差異が考察されるものとして貴重なものと考えられる。
(上記は指定時の文章です)