市指定文化財
石造宝篋印塔
せきぞうほうきょういんとう
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 建造物
- 数量
- 1基
- 所有者
- 赤穂市
- 指定年月日
- 平成12年3月31日
- 指定番号
- 36
- 説明
-
西有年の旧山陽道に沿った北側にある。もとは300mほど西の街道筋にあったが、平成5年3月に西有年圃場整備の際に取り払い、同7年3月に現在地へ整備して移築された。
花崗岩製で、相輪を欠失しかわりに五輪塔の空・風輪をのせている。相輪部を除く高さは103cm。上部に返花座(かえりはなざ)つきの基壇(高さ17cm)および切石の基壇(高さ19.1cm どちらも創建当初のもの)の二重基壇上に建つ。現状は、さらにその下に自然石のぐり石を並べて基壇状(高さ10.5cm)にし、一見3段の基壇に見えるが、これは移建の際に新たに加えられたものである。
各部分を見ると、笠は上6段、下2段の普通型。塔身は四面とも月輪(がちりん)を刻み、内部に梵(ぼん)字の金剛界四仏を薬研(やげん)彫りしている。基礎は上部に反花座をつけ、四方の各面とも輪郭を切り、中に格狭間(こうざま)を入れる。
紀年銘がないため造立年次を確定できないが、隅飾突起の反りや切り込みの具合、塔身内の月輪や梵字の大きさ、薬研彫りの彫法、反花座の蓮弁(れんべん)の様式、基礎の格狭間の形などからみて、南北朝時代中期後半頃の14世紀から15世紀初頭にかけての造立だろう。
相輪こそ失っているが、他は隅飾突起の一部を欠くだけで、ほぼ完存している。全体的には、形もよくすっきりした優美な塔で、貴重な遺物である。
(上記は指定時の文章です)