市指定文化財
石造五輪塔
せきぞうごりんとう
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 建造物
- 数量
- 1基
- 所有者
- 個人
- 指定年月日
- 平成11年11月19日
- 指定番号
- 34
- 説明
-
西有年字向山(むかいやま)の、旧山陽道沿いの山すそにある。古代の山陽道はここから4qほど北方を通っており、この山陽道は中世に筑紫大道として開発され、ひきつづき近世まで幹線街道として機能していたという。西北400mほどの同街道沿いの地には近年、南北朝時代中期頃のものとみられる宝篋印塔が整地して移建されている。
花崗岩製の等身大を超えようかという堂々たる完存塔で、一見して中世五輪塔であることがわかる。
高さ約165cm(埋没部分を含めると178cm。地輪は幅58×58.5cm、高さ52.4cm、水輪は最大径57.5cm、高さ49.3cmで下部がややすぼまり、火輪は幅52.7cm、高さ33cm、軒端(のきば)の厚さ9.3cmで真反(しんぞ)りの古調を示し、風、空輪は高さ41.8cm。特徴的なことは地輪部下端で、ある程度地下に埋設することを予想したためか粗仕上げにし、きれいに整形していない。
各輪には大ぶりの四門の梵字を薬研(やげん)彫りにし、書体も悪くない。残念ながら無銘だが、これらの様式や手法からみて鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけてのものだろう。
この時代の石塔は個人の墓塔になることは少なく、本塔も一般的な供養塔か、あるいは往来者の安全を願って建てられたものかもしれない。造立時期の古さ、規模の大きさ等からみても、播磨地方では一級品といえ貴重である。
(上記は指定時の文章です)