市指定文化財
近藤源八宅跡長屋門
こんどうげんぱちたくあとながやもん
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 建造物
- 数量
- 1棟
- 所有者
- 赤穂市
- 指定年月日
- 平成10年4月27日
- 指定番号
- 31
- 説明
-
本遺構は浅野時代の藩士、近藤源八屋敷跡に残る建物の一部といわれている。遺構の現状は後世の改造により床間付き六畳、仏間六畳、押入れ付四畳半、玄関間三畳、台所三畳に玄関土間、台所、風呂からなる住居となっている。このうち台所と風呂は近年の増改造による。それ以前は表入り口から奥四間半までが通り土間で、現在の台所位置にクドが置かれていた。
近年のものを除いても、本構造には以下のような改造が見られる。表通りの柱の一部に板をかぶせて窓の数や位置を変え、裏側へ屋根を伸ばして部屋をつくり、また土間も寄棟にして裏に延長しており、これらの改造は当初梁行二間の建物を住宅にするためになされたもので、ここからみると本遺構は近藤源八宅跡長屋門の一部と推定されるものである。しかも、赤穂城内において近世の建築遺構はわずかに大石内蔵助長屋門と本遺構としかなく、城内の武家屋敷を知ることのできる数少ない貴重な遺構である。また遺構が保存されることによって、今後の文献調査や発掘調査から建物全体の復元の可能性が残されていることも重要である。
さらに、本遺構は大手門から城内に入った最初の武家屋敷の建物であり、大石家の長屋門と対面してかつての城内の武家屋敷の町並みを今日に伝え、景観的にも貴重な遺構であるといえる。
参考文献
『赤穂市指定有形文化財(建造物)
近藤源八宅跡長屋門復原整備報告書』 赤穂市教育委員会 平成21年
(上記は指定時の文章です)