市指定文化財
楢原村文書及び楢原自治会文書
ならばらむらもんじょおよびならばらじちかいもんじょ
- 区分
- 有形文化財
- 種別
- 古文書類
- 数量
- 2,458点
- 所有者
- 有年楢原自治会
(管理者)赤穂市 - 指定年月日
- 平成10年4月27日
- 指定番号
- 30
- 説明
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楢原村は、慶長20年(1615年)赤穂藩領となって以来、明治4年(1871年)の廃藩まで赤穂藩領として終始した村である。明治22年(1889年)に有年村に、昭和30年(1955年)に赤穂市に編入されて今日に至っている。
楢原村文書は、近世・近代にわたる文書2,139点、楢原自治会文書は、主として近現代の文書319点から成り、数量的に市内最多の村文書である。書冊・横帳が大部分で、一紙文書が少ないうらみはあるが、楢原村文書は単に楢原一村の歴史を伝えるだけでなく、赤穂藩、赤穂藩領の歴史を語る文書として価値が高い。すなわち長年にわたる御用御触書帳が残されている。それには森赤穂藩が出した領域支配のための藩法・触書が年次を追って書き写されている。それだけに藩の行政、経済政策の推移を詳細に体系的にとらえることができ、きわめて有用である。『赤穂市史』第5巻(近世史料編)の、「藩法」「藩財政と藩札」の項に収められた史料のほとんどを楢原村文書が占めることをみても、楢原村文書が藩政史料として価値の高いことが知られよう。
この文書は、さらに村方の歴史を詳しく語ってくれる。地域南部の塩業の村とは別の特色を持つ農村部の村として、土地開発・検地・検見・免割・年貢・物成・諸入用さらには宗門改帳など、村方の状況を知らしめる多年にわたる史料がこれほど連続して残されているところはない。さらに楢原自治会文書には、田畑ばかりでなく、山林原野の地租改正、地価修正に関する帳簿も西播地域では珍しく揃って残されている。このように両文書は、村方の歴史を語る史料としても価値のある文書といってよい。
(上記は指定時の文章です)