市指定文化財
牟礼八幡神社農耕図絵馬
むれはちまんじんじゃのうこうずえま
- 区分
- 有形民俗文化財
- 種別
- 信仰に用いられるもの
- 数量
- 1面
- 所有者
- 牟礼八幡神社
- 指定年月日
- 平成7年5月25日
- 指定番号
- 21
- 説明
-
縦136.4cm、横187.6cm木製扁額。杉板長さ165cm幅約18cmを横に並べ画版とし、これを9区画に分け、農作業絵8、祭礼絵1を描く。奉納は明治10年代(判読困難)。絵の区画を左上から右邉A・B・C、中左からD・E・F、下左からG・H・Iとして、各絵の内容は次の如くである。
- A 籾播と田の犁起し
- 水稲栽培の最初の作業。牛に曳かせる唐犁の用法が的確に描かれている。
- B 唐竿(連枷)打
- 稲・豆・栗・麦のいずれかの穂を打って、もみ粒や豆を取る作業であるが、服装からも季節が判別できず対象は明確でないが、恐らく麦であろう。唐竿の動きの描写から用法はよく理解できる。
- C 唐箕かけ
- 穀物から粃(シイナ)・籾・塵などを送風扇を回して吹き分ける作業。唐箕はその形から地元の指物大工の作ったものと思われる。
- D 祭礼の屋台
- 収穫を祝う秋祭の屋台。明治初期の祭礼の服装に興味がわく。
- E 田植・代掻き・苗取り
- 耙(マグワ)による代掻き、田への水掛け、苗取り、田植の作業。掻耙を牛に曳かせているが、共同作業の様子がしのばれる。
- F 肥料入れ
- 麦播きかとも思われるが、俵で種麦を運ぶことはない。恐らく魚肥の干鰯を播く作業を描いたものであろう。鰯の油を取ったあとの滓を干したものナダゴエとかハタキゴエと呼ばれた肥料であろう。
- G 米の収穫、庭仕事
- 籾摺り臼、上臼の穴に籾を落し入れ、網溝すなわち臼の目によって実と皮を分ける。上臼につけた縄を二人で交互に引き左右に回転させる。千石通しで米粒をふるい分け、自家で編んだ俵で包装し、これを米蔵に収納する。この一連の収穫作業を庭仕事といった。
この絵の左下部分に奉納年月日と奉納者の氏名が記されているようであるが、判読困難である。 - H 稲刈リ
- 後方に稲積みが見えるため稲刈とわかる。千歯こぎ(後家たおし)は女の仕事として描かれている。左遠方は稲架であろうか。手前の稲刈り図で鎌の刃(鋸か否か)が判明しないのが残念。
- I 麦刈り
- 刈取った作物の並べ方がH絵と異なるため麦刈りと思われる。
(上記は指定時の文章です)