県指定文化財
東有年・沖田遺跡
ひがしうね・おきたいせき
- 区分
- 記念物
- 種別
- 史跡
- 数量
- 6,533u
- 所有者
- 赤穂市
- 指定年月日
- 平成4年3月24日
- 指定番号
- 85
- 説明
-
本遺跡は、縄文時代後期から室町時代に至る複合遺跡で、馬路川周辺から細長く南東に伸びる沖積地の最南端に立地し、東は千種川、西と南は長谷川、北は有年山に囲まれている。
縄文時代としては、後期〜晩期の土器や石鏃(石製の矢じり)などが多数出土しており、遺構の存在が想定される。
弥生時代の竪穴住居跡が7例出土しており、特に竪穴住居跡2は径12.3mを測る大型のものである。
古墳時代後期(6世紀〜7世紀初頭)の住居跡群は22例を数えるが、すべて四柱穴の方形竪穴住居で、北にカマド、南に土坑を配しており、中には中央に炉跡をもつものもある。遺物としては、ほとんどの住居跡で土師器・須恵器がセットで出土し、他に土馬(土で作った馬の模型)・ミニチュア土器・鉄鏃(鉄製の矢じり)・紡錘車(糸を紡ぐ道具)などがある。
これら住居跡群、カマドと炉の共存、土師器と須恵器のセット的出土、土馬・ミニチュア土器の祭祀用遺物などは、編年や遺構の性格の解明ばかりでなく、集落の形成や移動に関しても貴重な資料となるもので、学術的に注目される遺跡と言える。
参考文献
『東有年・沖田遺跡の風景
−ほ場整備事業に伴う発掘調査の記録−』 赤穂市教育委員会 平成11年
(上記は指定時の文章です)