指定文化財に2件の附(つけたり)ができました!!
このたび、赤穂市指定文化財に2件の附(つけたり)が指定されましたので、報告いたします。
■布袋図絵馬 1面(「三十六歌仙絵扁額」の附)
この絵馬は、赤穂浅野家の家老であった大石内蔵助が周世高雄山神護寺に奉納したものと言われています。図柄は布袋唐子図で、剥落が激しいですが全体的にその姿は確認することができます。
表面に「大石内蔵之介良雄」の名が墨書きされていることから、内蔵助自らが描いたか、もしくは寄進したと言われてきたものです。現状では「内蔵之介」しかわからず、また奉納日も判読できませんが、過去の調査では「天和□年」と読めたと言われています。これが天和であるとすれば、西暦1681年から1684年の間に年代を限定することができますが、大石内蔵助良雄は1659年(万治2年)生まれなので、奉納したとき22〜25歳となります。
この絵馬は、奉納者が不明で剥落も激しく、それ自体としては文化財的価値が少ないですが、市指定文化財の三十六歌仙絵扁額と同じ木箱に保存されており、また奉納された山王神社と浅野家、大石家との関係を示す資料として、附(つけたり)とすることが妥当とされました。
■東有年鎮座八幡神社祭礼絵馬 1面
(「東有年八幡神社頭人行事」の附)
この絵馬は、山頂の八幡神社から東有年の街道筋を、神輿がお旅所まで練り歩く様子を描いたもので、全体に剥落が激しいですが、全体的にその姿を確認することができます。
絵馬の表面には「文政元寅年八月日 維嶽 (印)」、裏面には「願主鳶屋治平 庄屋直三郎・・・」などと奉納者17名の氏名が墨書きされています。「維嶽」はこの絵馬を描いた絵師、「鳶屋治平」は版元であると考えられます。
全体に剥落が激しく、年代も比較的新しいですが、市指定無形民俗文化財である東有年八幡神社頭人行事の江戸時代後期の様子を傍証できる貴重な資料であるため、附(つけたり)とすることが妥当とされました。