新指定文化財のご紹介
このたび、平成28年8月31日をもって、3件の市指定文化財が新たに追加されましたので、ご紹介いたします。
赤穂浅野家藩札 2件
浅野長矩時代の延宝8(1680)年1月に発行された藩札です。
浅野家は元禄14(1701)年に改易となったため、21年間だけ通用したもので、札の表にはそれぞれ「播州赤穂 延寶八庚申歳 正月吉祥日 銀弐分」、「播州赤穂 延寶八庚申歳 正月吉祥日 銀拾文目」とあります。
ただし、後年に刷られた札も、当初の図柄・年月を踏襲したと思われます。
当時の藩札は銀10匁、銀1匁、銀5分、銀3分、銀2分の、合計5種類が発行され、かなり厳しい専一流通が強制されていました。
改易時の藩札発行高は900貫目、引替えにあてうる銀の現有高は700貫目であったため、6歩替えで回収。回収した藩札はすべて城内で焼却処分しました。
現在確認できている藩札は、5点のみで、そのうち2点について、日本史上の有名な事件にかかわる点と希少な点から、指定されたものです。
塩屋荒神社屋台行事
赤穂城下の北西に位置する塩屋地区における製塩の歴史は古く、堂山遺跡から弥生時代の製塩土器のほか、平安時代から鎌倉時代前半にかけての製塩遺構が見つかっています。また中世には東大寺の荘園「石塩生庄」もありました。
塩屋荒神社で行われる屋台行事は、10月25日に最も近い土日に開催される秋祭りにおいて、東西2地区の大屋台のほか、多数の子供屋台等が使用され、途切れることなく唄われる伊勢音頭を背景として練りや差し上げが行われるもので、優美な印象を与えます。
市内における屋台行事として貴重であり、明治に遡る歴史をもち、文化財的価値がある屋台等を維持している点で、無形民俗文化財に指定されたものです。
本件の指定により、赤穂市の指定文化財は、国指定8件、県指定14件、市指定54件となりました。