兵庫県赤穂市の文化財 -the Charge for Preservation of Caltural Asset ,Ako-
−赤穂城跡、赤穂の歴史民俗、文化財、観光、名所旧跡、遺跡、発掘調査、考古学などなど−

■有年の歴史に関する基礎資料

赤 穂 と 秦 氏 の 支 配

■744年(天平16年)『大安寺伽藍縁起并流記資財帳(大安寺所蔵『寧楽遺文』中巻)
播磨国壱拾伍町 開六町未開九町(中略)赤穂郡十町
■759〜760年『造法華寺金堂所解案』(正倉院文書『大日本古文書』編年第十六巻)
造金堂所解 申請用銭并雑物等事
?(あしぎぬ)六百一匹五丈三尺七寸
(中略)七十匹播磨国赤穂郡封
■780年『西大寺資財流記帳』(大安寺所蔵『寧楽遺文』中巻)
田園山野図漆拾参巻
(中略)播磨国二巻
(中略)一巻 赤穂郡塩山 白?在内印
■『延喜式』(成立10世紀以降)
山陽道
播磨国 大管  明石・賀古・印南・飾磨・揖保・赤穂・佐用・宍粟・神崎・多可・賀茂・美嚢
■『和名類聚集』(成立10世紀以降)
播磨郷 第百十一
(中略) 赤穂郡 坂越佐古志・八野・大原・筑磨都久末・野磨・周勢須世・高田・飛鳥
■平安時代の史料に見える赤穂郡司
753年  秦大炬 (『赤穂郡坂越神戸両郷解』)
793年  秦造[  ] 秦造雄鯖 播磨直 (『東大寺牒案』)
864年頃 秦造内麻呂 (『日本三代実録』)
 十七日辛未、(中略)播磨国赤穂郡大領外正七位下秦造内麻呂借叙外従五位下(後略)
1071〜1098頃 秦為辰 (『東寺百合文書』)
■平城宮跡出土木簡 ※平城宮は710年〜784年までの宮都
 4(表)播磨国赤穂郡大原□
  (裏)五保秦酒虫赤米五斗
 22(表)赤穂郡大原郷 秦造吉備人丁二斗
    秦造小奈戸三斗
  (裏)□庸一俵
 23(表)赤穂郡大原郷 戸主秦造吉備人
■有年牟礼・山田遺跡で、「秦」と刻まれた平安時代の須恵器出土。

古 文 献 か ら み た 有 年

■「有年」の初出
 「有年庄」・・・平安時代の書物『朝野群載』の長和四年(1015)の国符

有 年 の 遺 跡 年 表

□縄文時代

縄文時代早期
 10,000年前? 馬路池遺跡(石鏃、ナイフ形石器)
縄文時代後期
 4,000年前 東有年・沖田遺跡(未調査)、上菅生遺跡、クルミ遺跡
縄文時代晩期
 3,000年前 東有年・沖田遺跡(未調査)

□弥生時代(弥生時代前期は未発見)

弥生時代中期
 2,500年前 有年原・田中遺跡(土器片)
 2,300年前 有年牟礼・井田遺跡*(焼失竪穴建物2棟)
   東有年・沖田遺跡(円形周溝墓1基)
 2,200年前 有年牟礼・井田遺跡、有年原・田中遺跡*、有年原・北畠遺跡、有年原・北山遺跡、野田遺跡、東有年・沖田遺跡*、上菅生遺跡*、西有年遠古殿遺跡、西有年垣内田遺跡、西有年・中野遺跡、西有年・木ノ目池遺跡、西有年・堂場ヶ市遺跡、ほか
 弥生時代後期
 1,800年前 有年牟礼・井田遺跡、有年原・田中遺跡*(墳丘墓)、東有年・沖田遺跡*ほか
 弥生時代終末期
 1,750年前 有年牟礼・山田遺跡(方形周溝墓)

□古墳時代

古墳時代前期
 1,700年前 クルミ遺跡*、有年原・田中遺跡*、東有年・沖田遺跡、放亀山古墳(全長38mの前方後円墳)
古墳時代中期
 1,600年前 有年原・田中遺跡(初期須恵器)、蟻無山古墳(直径52mの古墳)
古墳時代後期 
 1,500年前 東有年・沖田遺跡*(竪穴建物群、横穴式石室墳) 奥山一帯の群集墳(70基以上)
□飛鳥時代〜平安時代の役所関連遺跡
有年原・田中遺跡、西有年・長根遺跡
□鎌倉時代〜室町時代の大集落跡
有年牟礼・山田遺跡、東有年・沖田遺跡

■兵庫県指定文化財(市内14件中7件)
地蔵立像板碑 蟻無山古墳 野田2号墳 木虎谷2号墳 塚山6号墳 有年原・田中遺跡 東有年・沖田遺跡
■赤穂市指定文化財(市内54件中18件)
楢原村文書及び楢原自治会文書 原村文書 真光寺旧蔵・柴原家文書 石造宝篋印塔 石造題目笠塔婆 石造五輪塔 西有年石造宝篋印塔 有年家長屋門 有年考古館収蔵考古資料 有年原・田中遺跡出土柱部材 西有年・長根遺跡出土木摺臼 有年原・田中遺跡墳丘墓出土土器 有年牟礼・山田遺跡方形周溝墓群出土土器 黒尾須賀神社義士画像図絵馬及び奉納額 光明寺町石 前句集額 牟礼八幡神社農耕図絵馬 東有年八幡神社頭人行事

有年の見学可能な古代遺跡

(1)東有年・沖田遺跡公園(県指定史跡)
弥生時代後期の竪穴建物2棟、古墳時代後期の竪穴建物3棟と高床倉庫1棟を復元しています。
周辺の農村風景とともに、古代遺跡の景観をイメージできます。
(1997『東有年・沖田遺跡(ガソリンスタンド建設)』、2003『東有年・沖田遺跡』)
(2)有年原・田中遺跡公園(県指定史跡)
弥生時代後期の墳丘墓を2基復元。弥生時代から古墳時代にかけての埋葬慣習を明らかにする重要 資料として、整備されています。
(1991『有年原・田中遺跡』)
(3)蟻無山古墳(県指定史跡)
直径52mの中期古墳。馬形埴輪などが出土しています。未調査。
頂上は草刈がなされ、約270度の眺望が楽しめます。
(『赤穂市史』第四巻、2011『蟻無山古墳群・塚山古墳群・周世宮裏山古墳群 測量調査報告書』)
(4)塚山群集墳(6号墳は県指定史跡)
50基以上で構成される、横穴式石室の群集墳。周辺は間伐がなされ、当時の状況そのままを見ることができます。
(『赤穂市史』第四巻、2011『蟻無山古墳群・塚山古墳群・周世宮裏山古墳群 測量調査報告書』、2017『有年地区埋蔵文化財詳細分布調査報告書』)
(5)木虎谷2号墳(県指定史跡)
「石棚」をもつ横穴式石室として著名で、現在も見学可能です。周辺には1号墳があります。
今はありませんが、近くの11号墳は発掘調査が行われ、多くの副葬品が見つかりました。
(参考:2006『木虎谷11号墳発掘調査報告書』、2017『有年地区埋蔵文化財詳細分布調査報告書』)
(6)野田2号墳
特異なかたちの横穴式石室をもつ古墳として著名です。通称「祇園塚」と呼ばれています。
(『赤穂市史』第四巻、2024『有年地区埋蔵文化財詳細分布調査報告書』2)
中世山城
後藤陣山城 有年山(八幡山)城 鴾ヶ堂城 高野須城 鍋子城
中世寺院跡
六道山遍照院跡 黒澤山光明寺跡 医王山験行寺跡
(『赤穂市史』第四巻、2024『有年地区埋蔵文化財詳細分布調査報告書』2)

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巻頭写真1
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−連絡先−
赤穂市教育委員会事務局文化財課文化財係
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