◆コラム◆ ぶらりと歩く有年地区の円明庵跡、義士画像図絵馬
有年地区の黒尾須賀神社には、市指定文化財である義士画像図絵馬(魚信丸さまのサイトに飛びます)があるのをご存知ですか。
この荒神社には、嘉永(かえい)2年(1849)に奉納された京狩野派の菅原永得画の義士絵馬が49枚あります。絵馬は全体的に薄れているものが多いですが、享年や辞世の句も記されているため、四十七士のうち46人が判別可能です。吉田忠左衛門の絵馬は現在のところありません。なお、義士に加えて矢頭長助(右衛門七の父)、萱野三平、橋本久蔵の3人が「義士一列」として加えられています。 この絵馬は、旧赤穂郡内にある義士画像図絵馬のうち最も古い絵馬と言われています。
そしてもう一つ、須賀神社のすぐ西側に円明庵跡(えんみょうあんあと)という遺跡があるのをご存知でしょうか。
ここはいくつかの平坦面が現在も残っており、昔に庵寺(あんでら)があった場所です。現在は地蔵2基、暦世塔(れきせいとう)1基、五輪塔の一部1基が残っており、歴世塔には寛政3年(1791)の銘があることから、江戸時代後期には開基していたことがわかります。
以来、周辺地域の信仰の対象とされ、大正時代には興福寺の末寺となりましたが、建物は現在失われてしまいました。
この庵寺は、つい最近まで竹やぶに覆われ、また誰も目に留めていませんでしたが、ここ最近になって、地区住民の方々により参道がつくられました。また、途中にある井戸にも安全柵が設置されています。
円明庵周辺を整備された市民の方々
また、黒尾須賀神社の周辺も、実は少しずつ草刈が行われているのをご存知でしょうか?
市民の方々によって、とても静かな、散歩にちょうどいいコースがつくられています。皆さんも、一度ぶらりと訪れてみてはいかがでしょうか?